医師の働き方改革の施行から2年。多くの病院で時間外手当等が業務量や責任の重さと切り離されたまま積み上がり続けています。
 たとえば、時間外手当の膨張によって20代医師の年収が3,000万円を超え、より重い責任を担うベテラン医師を上回るという「逆転現象」が起きている病院も少なくありません。過酷な現場で汗をかく若手のパフォーマンスに報いることは重要ですが、従来の職能給や年齢給の仕組みのままでは、結果として人件費のコントロール不全と世代間・役割間の不公平感を招く原因になってしまいます。
 病院全体では年間で億単位の残業代を支払いながらも、医師の賃金への不満は解消されない。さらに宿日直の届出が未整備のまま運用されているケースもあり、放置するほど人件費と労務リスクの両方が深刻化していきます。表面的な額面だけをいじっても、根本解決にはなりません。いま求められているのは、「役割とパフォーマンス」に見合った賃金制度への作り直しです。
 本セミナーでは、この山積する課題を「医師の賃金制度の再設計」という一点に絞って解きほぐします。鍵は、人件費の適正化と、医師の納得・病院の持続性を対立させずに両立させること。固定残業(時間外見合い分)の組み込みや宿日直許可の現実的な運用のコツ、そして診療科ごとにバラバラな実態をどう着地させるかについて、実例を交えて具体的に解説します。医師が自らの役割と貢献に納得して働き続けられ、病院が地域医療を担い続けられるための、これからの賃金制度設計の考え方をお持ち帰りいただけます。

日時 2026年8月12日(水)13:00~14:00(接続開始12:45)  
会場
Web開催
参加費 無料!
定員 なし
対象 医師の人件費・賃金制度に課題を感じている病院の経営層
主催 株式会社日本経営
共催
協賛
内容 1.なぜいま「医師の賃金」が経営課題なのか
・2024年4月の時間外労働の上限規制から2年―規制に対応したのに、なぜ支払う時間外手当はむしろ増えたのか
・カギは「顕在化」:労働時間の客観把握・宿日直許可の厳格化・年俸制の固定残業あいまい問題で、見えなかった残業が支払いに変わる構造

2.論点①|賃金モデルの再設計
・年俸制の落とし穴:時間外見合いが判別できないと、年俸+時間外の“二重払い”になる
・基本給・手当・時間外の構造をどう組み替えるか
・固定処遇に偏らず、勤務実績(変動)をどう反映するか

3.論点②|固定残業(時間外見合い分)の組み込み方
・年俸・基本給に時間外見合いをどう織り込むか(判別可能性を満たす設計)
・改定として導入する手順と、不利益変更にしないための留意点
・残業の抑制効果を出すための設計のコツ

4.論点③|宿日直許可の取得・運用
・未許可のまま運用するリスク(当直時間がまるごと労働時間=割増対象になる)
・許可取得に向けた実態整備と申請の進め方
・取得後の運用で陥りやすい落とし穴

5.最大の難所|診療科ごとにバラバラな実態の「落としどころ」のつけ方
・救急・外科系と当直の少ない科の違いを、どう制度に織り込むか
・全科一律では破綻する理由と、公平感を保つ調整の考え方
・ここが「設計力」の問われるポイント

6.院内のコンセンサスの取り方
・なぜ内部だけでは合意形成が進まないのか
・医師の納得を得るための説明の組み立てと進め方
・外部の専門家を入れることの効果

7.残業抑制と「働き方改革の実現」を両立させる視点
・コスト削減だけに寄せると失敗する理由
・医師の納得・定着と人件費の適正化を同時に成り立たせる考え方

8.事例|実際の見直しプロセスと効果
・着手から制度導入までの流れ
・人件費・不公平感・労務リスクがどう変わったか
備考 ・受付は、開催日の前日16時で締め切らせていただきます。

・お申し込み前に、セミナー参加時のお願い及び注意事項をご確認ください。

渡邉康晃

株式会社日本経営
組織人事コンサルティング部主幹
大学院修了後、大規模病院グループに入職。人事、コスト部門の業務に従事。
コスト部門の責任者を務めていた際には、病院の取り引き機環境を見直し大幅な価格削減を実現、グループ病院の共同購入事務局で大きなコスト削減を達成した。2025年7月に株式会社日本経営入社後、組織人事に関する病院支援を行うと同時に、コスト管理業務にも携わっている。

山崎太郎

株式会社日本経営
組織人事コンサルティング部課長代理
人事評価制度構築や職員研修など人事マネジメントに関わる支援を中心に実施。近年では病院を対象とした医師などの専門人材に対する人事評価制度整備支援や原価計算やBM データを活用した診療科別の目標設定支援を行っている。中小規模病院から大規模グループ法人まで幅広く支援。一般企業における人事制度設計・研修も実施。

福田洸

株式会社日本経営
組織人事コンサルティング部課長代理
2019年入社。これまで従業員規模数百人単位の労働集約型産業の人事制度改革に携わる。人事制度を単なる管理のツールではなく、組織が期待する従業員を引き上げ、更なる貢献を引き出す仕組みとするコンサルティングを行っている。

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